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 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

少子化対策、負の効果が顕著に

 8月22日
 きょう、保育料の滞納が全国で90億円になったというニュースがありました。
 少子化の歯止めのために乳幼児に関する多くの事柄を無料にすることが言われ始めたとき、保育料も医療費も授業料も全部タダでやっていけるんだと思う人が出てくるのではないかなと感じましたが、案の定でした。少子化対策の負の効果が早速出始めましたね。
 今の世の中、産んだら感謝されるし、全部タダならば産んであげようかしら、みたいな人が出てきても不思議ではないと思います。真面目に人生を、家計を考えた結果、産まなかった人たちが払う税金が、踏み倒した分の穴埋めに使われたりしたら、なんか不公平だなぁ。
 この間、「授業でコンパスを持って来なさいと伝えたら、親が領収書を持ったきた」とある公立学校の先生が言っていました。結局、この先生、払わされたらしいです。あまり報道されないけど、こういうことに耐えている先生多いのではないかなぁ。
 
 ところで、昨年、私の音楽教室でも「月謝踏み倒し」がありました。その男の子とお母さんは、毎月幼児を対象に行っているワークショップにやってきて、翌6月からピアノの個人レッスンを開始。レッスンを2回受けた時点で、多くの習い事をしていて疲労しているという理由で、出稽古を要求(出稽古とは、先生が生徒の家に教えに行く、出張レッスンのことです)。私の教室は設備や雰囲気に付加価値があるので、わかってない人だなと思ったのですが、担当講師が若いA先生(ザウルス)だったので、相手の要求を聞いたところ、ぐちゃぐちゃさらなる要求をしてきて、ついには「まだ入会しているわけではない」「今月だって2回受けただけでまだ仮だ」「夏休みは長期休暇で(海外?)に出かけるので、戻ったら連絡する」と言ったきり、なしのつぶて。秋になって「入会金は要らないですので、6月の半分(2回分)を振り込んでください」と一度だけメールをしましたが、完全に無視されました。20年間ピアノを教えていて初めてのことでした。
 このお母さん、いろいろな所でケチをつけて踏み倒しているんでしょうね。もうちょっと人の労働や専門知識に敬意を払ってほしいものです。


星野豊さん(筑波大学准教授)の論文を掲載しました

8月18日
 最高裁・パートナー解消婚訴訟のページに、ご本人の許諾を得て、星野豊さん(筑波大学准教授)の論文、いわゆる「パートナー婚解消訴訟」について(1)(2・完)を掲載しました。
 http://www.partner-marriage.info/index.html
 全部で40ページ。普通の人が読むにはヘビーですし、PDFのデータ量も重くて、すぐには開きませんが、法律婚と事実婚の境界、男女関係に興味のある方は是非読んでみてください。
 星野さんは、「学界の定説に従ったものではなく、実験的に議論してみた」と謙虚におっしゃっていますが、特に社会科学の分野は、定説に則っていたら、学界自体が世の中から遅れ、次第に朽ちていくと思います。
 星野さんの実験的な問題提起のなかで私が一番面白いと思ったのは、(1)のP.73の注(18)の一文です。

「・・・この観点をさらに進めるなら、国家をはじめとする各機関による個人情報保護の必要性が前面に出てきている現代にあっては、法律婚とは、国家による戸籍が法律上の正当性を以て回覧される範囲でのみ周知となる(当然この範囲にあってその事実を知った者については個人情報保護のための守秘義務が課せられる)という一種の「秘密婚」に近いものとなっており、それに対して内縁、事実婚とは、社会生活上の関係者に対して事実を公開してそこからの認証を受けるという一種の「社会婚」に近いものである、と捉えることも可能かもしれないわけである。」

 知性ある人たちがこれを読めば、あえて「秘密婚」をしたいとは思わないはずなのだけど・・・。


夏休み、ずっと家に居続ける

8月14日
 10日、京都に来て4年目にして初めて京都劇場に行きました。劇団四季のエビータ、特に音楽が陳腐でした。もう2度と観ないかも。。

 11日と12日は厚い遮光カーテンの中で、パートナーのSさんと勉強。50にもなって勉強!!!!!!!!!!!

図解! あなたもいままでの10倍速く本が読める

2日で10万円以上もする講座を受けると人生が変わるという・・・。
https://www.lskk.jp/kouza/kouza_detail01.php?kouza_id=1367

多元化する「能力」と日本社会 ―ハイパー・メリトクラシー化のなかで 日本の〈現代〉13

 アマゾンのボロカスな書評に同意する部分も多いです。でも、少子化の原因に「パーフェクト・マザー」圧力を指摘した点は秀逸。これは子育て支援関係者、特に行政や大学の先生たちはまだ気付いていないことだろうと思いますが、「パーフェクト・マザー」最右翼だったのに「パーフェクト・マザー」を完全に降りたために子どもを持った私にはかなり理解できるのです。


なぜフェミニズムは没落したのか

 言いたいことはわかるのだけど、表現の仕方が悪いから誤解を招いてしまうのでしょう。アマゾンの書評、ボロカスです。
 「学者=同世代の人がもう働いている時に、パパにお金を出してもらってママにご飯を作ってもらっていた、就職活動さえしたことのない人」という書き方に怒っている人がいるみたいですが、私は笑って読み流せるようになりました!


投資信託にだまされるな! 本当に正しい投信の使い方


 食い入るように読みました。私はだまされないです(笑)。

女ですもの

 吉本ばななと内田春菊の組み合わせなのに、目新しいことがあまり書かれていなくてがっかりしました。

ピアニストは指先で考える

 東京藝大のピアノ科で初めてドクターを取ったピアニスト、青柳いずみこさんのエッセイ。人よりも一歩前に出るために10倍速く本を読むための指南書や、熾烈な言説合戦の社会学本、ドロドロとしたフェミニズム本、あっという間にネタが古くなる金融情報本、安易に作った対談本と違って、すがすがしい時間が流れている感じが心地いいです。私もまったりと穏やかに子どもの音楽教育をしよっと!

 13日、Sさんが東京に戻ったので、京都のマンションの大掃除。大型ゴミ袋3個分捨てました。とにかく捨てる、捨てる、捨てる。。。2日かかりました。明日は研究室の大掃除。


スイカだけ共有?

 8月8日
 最高裁・パートナー婚解消訴訟の裁判相手とは、16年間、何1つ共有しないという生活でした。今のパートナーSさんとは一緒に使うものはあるけれど、2人でお金を出し合って買ったもの、共同で所有するものは1つもありません。

 私が東京で開いている音楽教室の発表会(7月22日)に、自宅にあるプロジェクター、ビデオカメラ、三脚などを搬入しましたが、搬出するとき、「プロジェクターはSの、ビデオカメラは2つとも私の、三脚は一番小さい安物がSの、後の2つが私の・・・」と言うと、スタッフの人から、「同じ家に戻すのですよね。。。」と不思議そうな顔をされました。

 デジタルカメラを買いました。知る人ぞ知る、プロカメラマンのセカンド機(らしいです)。これは私の、です。使うのはSさんが多いかもしれませんが、「私の仕事で使うときに必ずSさんがカメラマンをする」というのが条件です。所有者=代金を支払った人だから、当然!
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 Sさんも京都にいるので、思い切ってスイカを一玉買いました。いつもは6分の1に切ったものを買うのだけど、京都・高島屋の地下で一玉499円! お得!1人250円ずつお金を出し合いましたが、2日間、スイカを食べ続け、お腹の中に入って消えました。
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 共同名義で不動産を所有したり、家賃を出し合ったりしたら、よりでかい家に暮らせるかもしれません。でも、口も聞かないほど仲が悪い配偶者や家族と不動産を共同で所有していて、身動きさえとれない人たちって多いですよね。他者からみてうらやましい生活よりも、自分にとって心地良い生活のほうが私にはいいのです。

 共同名義で所有するものは1つもない生活、続きます。  
 詳しくはこちら→  http://www.partner-marriage.info/c10.html 


大独身時代の「ひとりのリアル」

 8月4日
 「大独身時代の「ひとりのリアル」」AERA(2007.8.6))を読んでいて、次の文章が目に留まりました。洗濯機にタオルもシャツもごちゃ混ぜに入れたのは男ではなく、女の方です。よく読んでくださいね。
 
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 製薬会社で働くシゲルさん(41)の週末は、コーヒーミルでスタバの豆を挽くことから始まる。豆は途上国の人々の生活支援に繋がる「フェアトレード」商品を厳選して購入。・・・午前中は洗濯。タオルは殺菌のため水温設定を60度に、シャツは半乾きの状態で乾燥機から取り出し、しわを伸ばしてハンガーにつるす。洗濯の間は、ネットで日本のニュースサイトチェックに加え、かつて留学していたドイツの新聞や雑誌のサイトをじっくり読み込む。昼前にはデパ地下にお惣菜を買いに行くが、ここでもこだわりが。惣菜は生産者の顔が見える素材を使った「RFI」だけ、パンも原材料をチェックして、食品添加物が少ないものだけを買う。・・・
 付き合って2年になる航空会社勤務の20代の彼女がいるが正直、結婚は今のところ考えてない。かつて彼女が引っ越し先を探すまで、約3ケ月同棲したことがあるが、洗濯機にタオルもシャツもごちゃ混ぜに入れられて、分類するのが大変だった。彼女が目の前で体に悪そうな菓子を食べているのを見ているのも苦痛だった。・・・
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 私も食品添加物は必ずチェックするし、体に悪そうな食べ物を食べている人を見ているだけで嫌になるし、クリーニングから戻ってきた洋服と今着ている洋服を決して隣同士にはしない。パートナーのSさんはこうした私の習癖を学習(≠習得)してくれるからなんとか一緒に暮らせています。
 多くの人は「我儘な女やな。そんな窮屈で勝手な女と一緒にいたい男がいるなんて、信じられない」というだろうけど、私は全然そう思っていないですよ。そういうことを気にしない女と一緒にいれる男の方が信じられないです。


地味な夏休み

 8月2日
 「スキン+ボーンズ-1980年代以降の建築とファッション Skin + Bones: Parallel Practices in Fashion Architecture」を見に、パートナーのSさんと六本木の国立新美術館に行ってきました。
http://www.nact.jp/exhibition_special/2007/skin_and_bones/index.html
 その後、新宿の東急ハンズで、本棚の棚板の留め金を40個(棚板20枚分)と、さくらやで浄水器のカートリッジを買い、早稲田の創作和食の店、「麻の葉」で夕飯を食べました。
http://gourmet.yahoo.co.jp/0006714294/P021690/

 棚板の留め金が手に入らなくて1年以上もやれなかった書庫の整理ができるのがうれしい。大した貴重本はありませんが、「月刊ピアノ」を創刊号から一冊も欠本せず持っていたり、なかなかのコレクションです。
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 きれいな水を飲みながら、本の整理、資料の整理、洋服の整理、DVDの整理、写真の整理、パソコンのデータの整理。地味~な夏休みです。


東京ビッグサイトと日焼け

 8月1日
 東京ビッグサイトに行ってきました。
 e-School  -第3回学校教育IT総合展-
 国際展示場前駅から会場まで地下道もないので、炎天下、太陽の光を浴びながら歩くしかありません。風も強くて買ったばかりの日傘の針が折れそう。日焼けも気になるけど、日傘の針も気になる、気になる。
 会場に着くと、e-Learningシステムの展示会なので、デモンストレーター以外はおじさんとおにいさんばかり。太陽の日差しや日傘の針が折れそうなことも気にしている人などいないようです。
 小学生の頃、当時の大人たちは夏は外で遊んで真っ黒に日焼けすることがとても健康にいいと言っていましたが、「そうかな。。。」と私は疑っていました。日焼けした友達の顔は、いつもの友達の顔より汚く見えたからです。
 今も、子ども思いの大人が子どものためを思っていいと力説していることのなかに、実際は子どもにとって良くないことが一杯あるかもしれませんね。
 私は、特に夏の間は、必要がなければ日中外出しないし、厚い遮光カーテンのなかで昼夜の区別なく暮らしています。サンルームのある家なんて、迷惑な話です。
 さて、第3回学校教育IT総合展では、一つのブースで私の実践がごく小さく紹介されていました。学校全体でe-Learningに取り組んでいる大学のプレゼンテーションを見ながら、学内に協力者がいない身を少々嘆きましたが、次は科研の基盤研究Bを狙ってやるわよ、と心の中でつぶやきました。
 私は負けず嫌いです。


妊娠・出産で次々に幼稚園の先生が退職する

 7月28日
 昨日、私の同僚から、ある私立幼稚園の園長さんの求人メールが転送されてきました。
 結婚して仕事を続けていた先生たちが4人おめでたで退職し、その他にも若干名の先生が退職するらしいのです。「力をつけてきた矢先だけに、頭の痛いところです」と書いてありました。この幼稚園は、京都でも評判の良い園です。
 
 若い保育者に聞くと、「親と同居しているので、帰宅すれば母親が作った夕飯があり、風呂が沸いているから、何とか仕事がやれている」という人が多いです。もし、一人暮らしを始めるとちょっと大変になります。結婚すると、結婚相手に関する家事が加わり、さらに大変になるみたいです。
 ここまではなんとか持ちこたえられるのでしょう。多くの女性が結婚を機に仕事をやめなくなりました。が・・・、子どもが出来たとなると話が違う。特に子どもに関する専門家であるという自負があるから、仕事の経験を自分の子育てに生かしたいと思うのかもしれません。
 それもいいでしょう。でも・・・・・・一旦失った職を取り返すのは、彼女たちが想像するより困難なことです。子育てを終えたら戻ってくればいい、といわれても、大抵は非正規のパートタイム。安い費用で過去の経験を買われるだけです。「私は大黒柱のダンナさんの補助でいいので、収入は少なくても構いません」という人がいるけれど、これから男性の雇用もますます不安定になってきます。何年もブランクがあっても雇ってもらえるのは、幼稚園や保育園ならばこそ。もっと変化の激しい世界では、そんな“浦島花子”さんは、そもそも相手にされないです。
 そして、若い彼女たちの想像の及ばないことが後2つあると思います。
 一つは、(一般的に思われているほどには)自分に子どもがいるか、育てたかは、子どもの専門家、特に教育の専門家の能力には関係しないということ。もう一つは、人生はとても長いということ。仕事がなかったら、50歳の私、これからの人生、何をして生きていこうかと思いますよ。

 今のままでは、優秀な若い人材は公立の保育系機関や、好景気を反映して、育児休業制度の整った企業に流れてしまうと思います。


忙しくて出来ない者は暇でも出来ない

 7月26日
 最近、授業やゼミの他にもいろいろとやっていたので、気がつくと3時。寝なきゃ・・という毎日で、このノートブックの更新もできませんでした。

最近の活動
  ↓
http://www.ongakukyouiku.com/news.html

 パートナーのSさんはほぼ毎日更新しているみたいだけど、私は忙しいのです!!!!!

http://community-thinktank.blogspot.com/

「忙しいから出来ない」のか、「忙しくて出来ない者は暇でも出来ない」のか、「書きたいことが無いのか」・・。うーん。ジェンダーを絡めながら日々起こった事柄を書くのは意外と難しいのです。

 ようやく、きょう、前期の試験も終わり、大学の仕事が一段落したので、今年の夏は、一週間に最低2回はノートブックを更新していこうと思います。

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7月22日 ピアノパーティ2007(東京 門前天井ホール) 子どもの部、赤羽美希・正木恵子による「きょうのメドレー」
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論文の電子化

 7月7日
 国立情報学研究所のサイトで検索すると、論文が見れるようになってきました。
 http://www.nii.ac.jp/
 年輩の研究者のなかには、「私たちの若い頃は、たった一つの論文を手に入れるために、著者に手紙を書いたり、遠くの図書館まで出かけたのに」と言いながら、安易に入手できる現状に批判的な人が多くいます。
 でも、そういう批判をする人に限って、たいした用事でもないのに休日に携帯に電話をしてきたりする。昔、固定電話に留守電機能がないときは、相手がつかまるまで固定電話をかけ続けるしかなかったのだから、ずっとそうするといいのに・・と思ってしまいます。メディアの恩恵を受けているのに、自分の気に入らないところにだけは、批判する・・・全然論理的じゃないですよね。
 6月29日のノートブックで書いた「いわゆる「パートナー婚解消訴訟」について(1)」(筑波法政(筑波大学) (大学・研究所等紀要 、2005)と、「いわゆる「パートナー婚解消訴訟」について(2)」(筑波法政(筑波大学) (大学・研究所等紀要 、2006)は、調べたところ、電子化されていませんでした。
 「理科系と違って、法学の世界だから仕方がないんじゃないの」とある友人。「筑波大学の電子化への意識が低いということだよ」と別の友人。紀要こそ、一般的に大学や著者自らが関係者に配ったりしている(もちろんタダで)ものなのだから、積極的に電子化してほしいと思います。