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 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

喉に注射をする?

 “ちょっとした風邪”がきっかけで、26日土曜日の夜から声が出なくなった。
 体はしんどくないので、発話をしようとして初めて自分が病人だということに気づく。
 アナウンサーなど声を使う仕事だったら致命的だが、こんな声でピアノのレッスンをしたり、私語の多いマンモス授業をするのだってつらい。
 “ちょっとした風邪”をひいたのは、23日の祭日。京都は晩秋の紅葉目当ての観光客で賑わっていた。
 夕方、四条東洞院の着物屋さんに行って、草履を買った。この日は職人さんが来ていて、その場で私の足に合うように鼻緒を調整してくれた。
 百貨店などではあり得ないサービスだし、今吟味して買うと一生使える。
 その後、河原町三条の楽器店に娘のギターアンプとエフェクターを買いに行った。娘が東京の楽器店で調べた値段より少し安かったので、取っておいてもらったのだ。
 「配送料は?」「サービスします」 
 ラッキー!!!
 幼い頃の洋服などは一年で切れなくなってしまうから、おもちゃもすぐに飽きるから勿体ないと思ったが、今出会うものはひょっとしたら人生を変えるかもしれない。
 それから、四条河原町のジュンク堂書店に行って、ジェンダーや社会学関連の本を数冊買った。
 東京のジュンク堂書店ではダメだが、この店だけ、カウンターで京都女子大の身分証明書を見せると、持ち帰れるうえに、請求は大学に行く(もちろん私の個人研究費のうちの新聞雑誌代の範囲内だが)。斬新なタイトルに惹かれて買ってはみたものの、つまらない本だったというような失敗はない。
 そして自宅に戻ると“ちょっとした風邪”をひいていることに気づいた。

 大きなマスクをしている私に「深見先生、風邪をひいたの?」とみんな声をかけてくれるのだが、答えるのもつらい。風邪をひいたのが他人にわかるぐらいひどくなったのは4年ぶりぐらいだ。隣の研究室の声楽家、松本奈美さんから、声が出るためのいろいろな療法を聞いた。
 「私は本番前に、喉に(首に)注射をしたこともあるわよ」「それで、歌えたの?」「副作用で熱が出るのだけど、ある一定時間、いつものように声は出たわ」

 闘っているのは、高橋尚子や越路吹雪や杉村春子だけではない。