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 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

“ちゃん付け”はダメなのですか

 12月4日
 そろそろ年末モード。
 きょうは卒業アルバム用のゼミの写真を一杯撮りました。
 総合教育科目「子どもと音楽」では、映画「天使にラブソングを2」を観て、「ジョイフル!ジョイフル!」を聴きました。
 私の個人サイト最高裁・パートナー婚解消訴訟のサイトの管理人である遠山和大さんと京都駅前の京やさい料理店に行きました。今年もお世話になりました!

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 遠山さんから、山梨大学教授が学生を“ちゃん付け”で呼んで処分されたという話を聞いたのですが、減給1万704円という細かな数字と、そのわずかな罰金と比べて、ニュースが大きく扱われていることに驚きました。

 「やはり女性には『さん』、男性には『くん』がふさわしい」(山梨大)って、誰が決めたのでしょうか。男性教授が女子学生に『ちゃん』と言ってはいけないのなら、女性教授から『きみぃ(君)』と言われた男子学生も訴える権利ありますよね。

 小学校の現場では、男女を問わず『さん』になる傾向にあるみたいですが、無表情な女性教諭が、小学校1年生の6歳の男子に対して「〇〇さん」と言っているのは、それはそれで不気味な感じです。

 私のゼミには「まい」という名前の学生が二人いて、私は一人をまいちゃん、もう1人をまいまいと呼んでいます。ダメなのかな・・。
 
 セクハラで停職Ⅰヶ月の処分になった東京芸大教授は私の知り合いでした。噂話にはあまり関心がなく、いつも蚊帳の外である私の耳にも届いたぐらいだから、たぶんすでに多くの同じ業界の人たちは知っているのでしょう。何か魔が差したのでしょうか。
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東京芸術大学(東京都台東区)は2日、教え子の女子大学院生にセクハラ行為をしたとして、大学院音楽研究科の50歳代の教授を同日付で停職1か月の懲戒処分としたと発表した。
 この教授は4月下旬、女子大学院生を飲食店に誘って店内で胸をさわったり、店外でキスしたりしたという。女子大学院生が6月に学内のハラスメント相談窓口を訪れて問題が発覚した。この教授はふだんから、ほかの学生にもセクハラ発言を繰り返していたという。
 2007年8月2日読売新聞


姓の変え時

 11月6日
 ある大学院生が私に聞きました。
 「女が研究者を目指す場合は、早く結婚したほうがいいのですか」
 結婚したら姓が変わってしまい、他人から見れば同一人物だとわからないのでとても損をする。それだったら、まだ何も仕事をしていないときに早く結婚して姓を変えておくほうがいいか知りたい・・そんな様子でした。
 田村亮子だったら、谷亮子になったことを知っていますが、それは有名な人だからであって、普通の人の場合はそうはいきませんよね。
 彼女のような若い女性研究者の卵たちに、改姓して仕事をしてきた先輩女性研究者は、どのような工夫したら損失を最小限に食い止めることができるかを伝授するでしょう。仕事上通称を名乗っている女性研究者も、うまく使い分けるノウハウを話すのでしょう。
 でも、女がそうした工夫や使い分けすればするほど、男の側は工夫や使い分けをしなくて済む。みんなお人好しですね! 私にはそんな寛大さは微塵もないです。
 この質問した大学院生、ついこの間までは普通の大学生に見えていたのに、学問への意欲が出てきたのでしょう。とても意識が高くなりました。だからこそ、工夫や使い分けに長ける前に、そうした工夫や使い分けしてまでなぜ結婚していなければならないのかを考えてほしいなぁ。
 学問に向き合うのと同じぐらい真剣に向き合うと、問題の本質が見えてくるはずです。


お寿司の具をほじくる私

 10月31日
 私の大学では昼休みか放課後の会議ではお弁当が出ることが多いです。昨日からきょうにかけて、3回もお弁当をもらいました。全部、寿司弁当・・。
 私は、野菜とたんぱく質中心食いなので(「はーべすと」では最低3皿おかわりします!)、たまにはご飯物もいいけど、ご飯物が続くとキツイ。だけど、食べるぐらいしか楽しみがない会議では、自然と弁当に手が伸びてしまうんですね、これが・・・。

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はーべすと 一皿目
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 夜はお酒を飲みながら栄養のバランスを考えたオードブルを食べている人や、ダイエットのために食事の質を制限している人、家に戻れば豪華なご馳走が用意されている人など、たぶんさまざまなでしょう。この寿司弁当が家族へのお土産になっている人もいるのではないかな。
 ご飯を固めてある押し寿司などは、2つで十分です。それ以上あると、上に載っている具だけ食べたりします。以前の会議で、非常に健康志向な女性の先生が巻き寿司の具だけほじくって食べているのを目撃して、似てるなぁと思いました。私もほじくってます(笑)。
 決してお米が体に悪いのではなく、バランスが体に悪いのです。そもそも小さなおにぎり一個ぐらいでいいんですよ。
 
 第2次男女共同参画基本計画では、「2020年までに指導的地位に占める女性割合が30%程度となることを目指し、各方面における取り組みを促進する。」と打ち出しました。
 会議の弁当も、スリムでヘルシー志向の女性好みに変わらなきゃ!


気に入らないCM

 9月1日
 最近のCMで嫌だなと思うものがあります。
 スマップの草薙くんが妻の誕生日に洗濯機を掃除してあげるという、洗濯洗剤のCMです。
 次のサイトを見ると、「実際にそんなに気の利くやさしい旦那様っているのでしょうか???」とか言っているんですね。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011037070
 もし、一年中料理担当の旦那がいて、「1年の感謝を込めて、夫の誕生日にキッチンを掃除してあげる」とかいう妻がいたら、気が利くどころか、「1年に一度掃除するのではなく、毎日手伝え」と、仮に夫は言わなくても周りからたぶんバッシングを受けますよね。
 そして、女である妻に対して手伝えといったら、主体は男である夫にあることになり、普通は滅多にないことになります。
 草薙くんのやさしさなんて、所詮そんなもんです。

 また、住宅メーカーのCMで、「僕は毎日帰りが遅いから、妻と子どもが安心して過ごせる家を作りたかった」というせりふが流れるのがありますが、妻が「私は毎日帰りが遅いから、夫と子どもが安心して過ごせる家を作りたかった」というと、たとえ、この妻の所得が多くて全額負担していたとしても、バッシングされないですか。

 一見平和的で妻思いに見えるけれど、これらのCMの根底にあるものは、うんざりするほどのコンサバティブな男女感です。「実際にそんなに気の利くやさしい旦那様っているのでしょうか???」などと言ってないで、このからくりに気づいてほしいです。


スイカだけ共有?

 8月8日
 最高裁・パートナー婚解消訴訟の裁判相手とは、16年間、何1つ共有しないという生活でした。今のパートナーSさんとは一緒に使うものはあるけれど、2人でお金を出し合って買ったもの、共同で所有するものは1つもありません。

 私が東京で開いている音楽教室の発表会(7月22日)に、自宅にあるプロジェクター、ビデオカメラ、三脚などを搬入しましたが、搬出するとき、「プロジェクターはSの、ビデオカメラは2つとも私の、三脚は一番小さい安物がSの、後の2つが私の・・・」と言うと、スタッフの人から、「同じ家に戻すのですよね。。。」と不思議そうな顔をされました。

 デジタルカメラを買いました。知る人ぞ知る、プロカメラマンのセカンド機(らしいです)。これは私の、です。使うのはSさんが多いかもしれませんが、「私の仕事で使うときに必ずSさんがカメラマンをする」というのが条件です。所有者=代金を支払った人だから、当然!
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 Sさんも京都にいるので、思い切ってスイカを一玉買いました。いつもは6分の1に切ったものを買うのだけど、京都・高島屋の地下で一玉499円! お得!1人250円ずつお金を出し合いましたが、2日間、スイカを食べ続け、お腹の中に入って消えました。
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 共同名義で不動産を所有したり、家賃を出し合ったりしたら、よりでかい家に暮らせるかもしれません。でも、口も聞かないほど仲が悪い配偶者や家族と不動産を共同で所有していて、身動きさえとれない人たちって多いですよね。他者からみてうらやましい生活よりも、自分にとって心地良い生活のほうが私にはいいのです。

 共同名義で所有するものは1つもない生活、続きます。  
 詳しくはこちら→  http://www.partner-marriage.info/c10.html 


大独身時代の「ひとりのリアル」

 8月4日
 「大独身時代の「ひとりのリアル」」AERA(2007.8.6))を読んでいて、次の文章が目に留まりました。洗濯機にタオルもシャツもごちゃ混ぜに入れたのは男ではなく、女の方です。よく読んでくださいね。
 
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 製薬会社で働くシゲルさん(41)の週末は、コーヒーミルでスタバの豆を挽くことから始まる。豆は途上国の人々の生活支援に繋がる「フェアトレード」商品を厳選して購入。・・・午前中は洗濯。タオルは殺菌のため水温設定を60度に、シャツは半乾きの状態で乾燥機から取り出し、しわを伸ばしてハンガーにつるす。洗濯の間は、ネットで日本のニュースサイトチェックに加え、かつて留学していたドイツの新聞や雑誌のサイトをじっくり読み込む。昼前にはデパ地下にお惣菜を買いに行くが、ここでもこだわりが。惣菜は生産者の顔が見える素材を使った「RFI」だけ、パンも原材料をチェックして、食品添加物が少ないものだけを買う。・・・
 付き合って2年になる航空会社勤務の20代の彼女がいるが正直、結婚は今のところ考えてない。かつて彼女が引っ越し先を探すまで、約3ケ月同棲したことがあるが、洗濯機にタオルもシャツもごちゃ混ぜに入れられて、分類するのが大変だった。彼女が目の前で体に悪そうな菓子を食べているのを見ているのも苦痛だった。・・・
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 私も食品添加物は必ずチェックするし、体に悪そうな食べ物を食べている人を見ているだけで嫌になるし、クリーニングから戻ってきた洋服と今着ている洋服を決して隣同士にはしない。パートナーのSさんはこうした私の習癖を学習(≠習得)してくれるからなんとか一緒に暮らせています。
 多くの人は「我儘な女やな。そんな窮屈で勝手な女と一緒にいたい男がいるなんて、信じられない」というだろうけど、私は全然そう思っていないですよ。そういうことを気にしない女と一緒にいれる男の方が信じられないです。


もううんざりだよ

5月31日
 最近、聞くたびに蕁麻疹が出そうな言葉が2つあります。
 「子育て支援」と「女性のキャリア」。
 なぜ支援が必要な状況になっているのかを考えることなく、たぶん考える能力もなく、「子育て支援」とやかましく言っている人がほとんどです。自分では支援をしているつもり。でも、私には不安に陥れているようにしか見えません。
 同じように、「女は家庭に入って静かにしてろ」と思っていることが透けて見えるような人たちが、「女性のキャリア」を立場上口にします。当然だけど、ちょっと突っ込まれると、すぐにばれる。でも、おそらくばれてることにも気付いていないのです。
 もううんざりだよ。。。


どっちみち、役割分担

 5月11日
 高島屋が男性社員に対して育児休業制度を導入したらしい。
 有給扱いで勤続年数にも響かない?
 こういう制度が導入されたとしたら、大学教員の男性ならほぼ全員が取るんじゃないかなと思う。
 
「短い期間でも子どもと寝食をともにしたことで、育児参加はまだ不十分だと分かった。2人目が生まれたら長期休職をとりたい」・・・・・・・・
「短い期間(2週間)でも社会にでたことで、社会参加はまだ不十分だと分かった。2人目の子育てが終わったら長期で勤めたい」と女に言われて、男は、自分たちの苦闘を理解してもらえたと思うのかな。

 どっちみち、役割分担は変わらないですよ、こんなのでは。

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ワーク・ライフ・バランス:わが社の場合 高島屋
 <WORK LIFE>

 ◇「短期」制度導入で取得促進

 高島屋は、男性社員の育児休業取得を促そうと、「最大でも2週間」に限定した短期・有給の新しい育児休業制度を今年導入した。91年1月に育児休業制度の適用を男性にも拡大したが、昨年末までの16年間で男性の取得者はゼロ。しかし、新制度は既に男性10人が活用し、取得の動きが広がっているという。

 百貨店業界は女性が多いことから、女性への支援は充実している。同社も女性対象の育児休業制度を86年に創設し、昨年度だけで女性社員の3%強に当たる117人が新たに取得した。

 2歳未満の子どもをもつ社員なら、最大で2年の取得が可能だが、無給であるうえ、休職期間が勤続年数から差し引かれる。30代の働き盛りに休職すれば、昇格や進級の遅れは避けられず、「実際に取りたいと思っても、なかなか踏み切れないのが実態」(同社)だった。

 新たな短期制度は、従来の制度に併設される形で導入。2歳未満の子どもをもつ社員が連続14日以内で利用でき、有給扱いで勤続年数にも響かない。

 同社は「短い育児休業に意味があるのかという批判もあるが、男性が育児休業を取る一歩になることが大切。取得した男性が将来、売り場の責任者になれば、女性社員への理解も増すだろうし、育児休業が取りやすい環境にもつながる」と話している。

 実際、新制度を利用した男性社員からは「短い期間でも子どもと寝食をともにしたことで、育児参加はまだ不十分だと分かった。2人目が生まれたら長期休職をとりたい」との声も出ている。【宇田川恵】

毎日新聞 2007年4月30日 東京朝刊


20年、30年後の祖母たち

 5月9日
 連休が終わり、一挙に真夏並みの暑さに。大学の授業が再開しました。
 昨日は、四条河原町の洋風居酒屋「洋風酒膳 和’S」でゼミコンパ。
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▲クリックすると拡大します▼ この写真、何か少し変です。

 内田健二さん(京都児童館連盟委員長)、野口智子さん(うずらの里児童館)、画家の林加奈さんが来てくれました。内田さんは84歳! アルフィーの高見沢俊彦の30年後という感じの方です。この席で、「ジェンダーといえば、深見さん」という加奈さんの発言がきっかけとなって、ゼミ生の多くが「最高裁・パートナー婚解消訴訟」のサイトを読んでいることを知りました。

 きょうは、授業3コマと会議2つの後、建仁寺の境内にある新道児童館をゼミ生のNさんと訪問。ここの八木信代館長さんとは昨年知り合ったのですが、瞬く間に意気投合して今年度の実践計画がまとまりました。
 話が盛り上がって気がつくと18時過ぎ。ここの若い職員さんに子どもが2人いる女性がいます。
 「保育園のお迎え、大丈夫ですか。」「おばあちゃんがみてくれるんです。」最近、仕事と家庭との両立が声高にいわれ、みんな気を遣う雰囲気になったのはええことです。
 
 娘が30歳になったとき、私は62歳。娘が子どもを産んでも、私は孫の面倒はみないです。だって、私は現在よりもずっと(仕事面で)活躍していたいから(多くの人がそう思っているのと同じように、今、私は努力のわりに認められていない、評価されていないと思っているから)それに、12年後まだ私のほうが娘より忙しいかもしれないし。
 現在はまだ、かつて専業主婦だった祖母たちが各家庭にいるけれど、そのうち、忙しい祖母たち、働かなくては食えない祖母たちばかりになり、祖母たちも頼れない時代になるでしょう。20年後、30年後を想像できる人って、本当に少ない・・・。ゼミ生には20年後、30年後に「最高裁・パートナー婚解消訴訟」を読んで欲しいほしいです。あの訴訟を理解するには彼女たちは若すぎるし、あの訴訟はまだ早すぎるから。


夫婦別姓を待つ人たちのため息が聞こえる

 2月15日
 2006年の内閣府が実施した調査で、特に20代、30代の若い世代で選択的夫婦別姓制度に反対する人が5年前に比べると増えたそうです。
 この調査に関する新聞記事については、以下のページが一番詳しいです。ちなみに、この「夫婦別姓を待つ身の溜息」さんの情報収集力はホントにすばらしいです。こういうすごい人がいるのですね。
http://fb-hint.tea-nifty.com/blog/2007/01/index.html 
January 29, 2007

 私の周りにいる学生たちの中に、結婚したら夫婦別姓にしたいと思っている人はほとんどいないと思います。京都女子大の児童学科だからで、これが早稲田の政経とか、慶応のSFCならばもう少しいるかもしれませんが、全体としては、別姓なんて考えたこともない人がほぼ全員でしょう。
 自分は選ばなくても他人が選ぶことを認める人なら増えるかというと、おそらくそうでもなく、子ども関連の仕事に就きたいと思っている人が多いので、父と母の名前が違ったら子どもは不幸だという意見が大勢を占めるでしょう。父と母が同じ姓でも不幸な家庭は一杯あるのに、父と母の名前が違ったら、文句なく不幸だと思っている。かと思えば、芸能人のように母が芸名で仕事をすることには反対しない・・。そんな程度です。
 一方で、私の周りでも、既婚女性の旧姓の通称使用は一般的になっています。でも、この通称使用というのはとても中途半端。仕事をする際に旧姓の通称使用をしている人たちに、私は新しさを感じることはまったくありません。男女、結婚、家に対する考え方は凡庸そのもの。名札を変えている分、余計に凡庸さが目立つことが多いし、結婚を機にあっさり相手の姓になった人より、仕事に対してより意欲的かというと、そうでもないです。

 若い世代は後に続かないし、名札だけ違えれば満足している、あまりわかっていない人たちが、もっとわかっていない人たちから、夫婦別姓実践派だと思われる。こうした現状は、夫婦別姓の法制化を進めるために努力してきた人にはがっかりな事態でしょう・・ね。

 最高裁・パートナー婚解消訴訟のニュースが流れたとき、ネット上で最初にまじめに興味を持ったのは、「夫婦別姓を待つ身の溜息」さん、エイサクさんら、夫婦別姓の推進派の人たちでした。私は不思議に思いました。彼らが目指すのは、“婚姻制度の改革”であって、私が目指すのは“婚姻制度の埒外で生きる”ことであり、ひいては“婚姻制度の崩壊”なのに・・。
 仮に選択的夫婦別姓制度が導入されても、その制度に乗っかるのは、旧姓を通称として使用している人たちのうちの一部だけでしょう。10月5日のノートブックで紹介したアーティストのカップルも、私とパートナーのSさんも婚姻制度の埒外で生きると思います。
 先週、一時帰国しているベルリン在住の友人が「法律的に結婚しても、何一ついい事はないよね。」と言いました。私も心からそう思います。
 従来の夫婦、制度に乗っかる「保守」別姓夫婦、制度に乗っからない「革新」別姓夫婦、そして独身者・・。ますます複雑になり、互いに共感しなくなるでしょう。