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 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

夫婦別姓を待つ人たちのため息が聞こえる

 2月15日
 2006年の内閣府が実施した調査で、特に20代、30代の若い世代で選択的夫婦別姓制度に反対する人が5年前に比べると増えたそうです。
 この調査に関する新聞記事については、以下のページが一番詳しいです。ちなみに、この「夫婦別姓を待つ身の溜息」さんの情報収集力はホントにすばらしいです。こういうすごい人がいるのですね。
http://fb-hint.tea-nifty.com/blog/2007/01/index.html 
January 29, 2007

 私の周りにいる学生たちの中に、結婚したら夫婦別姓にしたいと思っている人はほとんどいないと思います。京都女子大の児童学科だからで、これが早稲田の政経とか、慶応のSFCならばもう少しいるかもしれませんが、全体としては、別姓なんて考えたこともない人がほぼ全員でしょう。
 自分は選ばなくても他人が選ぶことを認める人なら増えるかというと、おそらくそうでもなく、子ども関連の仕事に就きたいと思っている人が多いので、父と母の名前が違ったら子どもは不幸だという意見が大勢を占めるでしょう。父と母が同じ姓でも不幸な家庭は一杯あるのに、父と母の名前が違ったら、文句なく不幸だと思っている。かと思えば、芸能人のように母が芸名で仕事をすることには反対しない・・。そんな程度です。
 一方で、私の周りでも、既婚女性の旧姓の通称使用は一般的になっています。でも、この通称使用というのはとても中途半端。仕事をする際に旧姓の通称使用をしている人たちに、私は新しさを感じることはまったくありません。男女、結婚、家に対する考え方は凡庸そのもの。名札を変えている分、余計に凡庸さが目立つことが多いし、結婚を機にあっさり相手の姓になった人より、仕事に対してより意欲的かというと、そうでもないです。

 若い世代は後に続かないし、名札だけ違えれば満足している、あまりわかっていない人たちが、もっとわかっていない人たちから、夫婦別姓実践派だと思われる。こうした現状は、夫婦別姓の法制化を進めるために努力してきた人にはがっかりな事態でしょう・・ね。

 最高裁・パートナー婚解消訴訟のニュースが流れたとき、ネット上で最初にまじめに興味を持ったのは、「夫婦別姓を待つ身の溜息」さん、エイサクさんら、夫婦別姓の推進派の人たちでした。私は不思議に思いました。彼らが目指すのは、“婚姻制度の改革”であって、私が目指すのは“婚姻制度の埒外で生きる”ことであり、ひいては“婚姻制度の崩壊”なのに・・。
 仮に選択的夫婦別姓制度が導入されても、その制度に乗っかるのは、旧姓を通称として使用している人たちのうちの一部だけでしょう。10月5日のノートブックで紹介したアーティストのカップルも、私とパートナーのSさんも婚姻制度の埒外で生きると思います。
 先週、一時帰国しているベルリン在住の友人が「法律的に結婚しても、何一ついい事はないよね。」と言いました。私も心からそう思います。
 従来の夫婦、制度に乗っかる「保守」別姓夫婦、制度に乗っからない「革新」別姓夫婦、そして独身者・・。ますます複雑になり、互いに共感しなくなるでしょう。


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