記事一覧

 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

 2009年以降のノートブックは、「ワーキング・ノートブック」に移転しました。

ピアノレッスンボランティア活動が実現

 11月24日
 昨日、京都大和の家の子どもたちのピアノ発表会がありました。ここは、京セラの稲盛和夫さんが私財7億円投じて作った児童擁護施設です。
 今年の春から私のゼミ生3人がレッスンボランティアとして週末ごとに施設を訪ね、半年間レッスンしてきました。大手音楽教室のピアノ教師、街のピアノ教師ではない人がボランティアとしてレッスンするという、全国でも大変珍しい試みです。
 演奏したのは15人の子どもたち。全員最後まで弾き切りました。演奏が終わったときのホッとした顔。ちょっと勝ち誇ったような顔。途中何度か止まってしまったせいか、ちょっと悔しそうな顔。手のひらに何度も「人」という字を書いている子もいました。でも、一番ドキドキしたのは、レッスンをしてきたゼミ生3人だったかもしれません。
 ピアノレッスンボランティア活動を始めるにあたって、当初児童館でやりたいと思っていました。しかし、児童館には壁がありました。ある児童館には、ピアノ演奏は特別な技能なので「ピアノ遊び」という枠組みでなければ難しいと言われました。別の児童館には、児童館に通う保護者にもピアノの先生がいて(その先生と競合するので)難しいかも、と言われました。私が声をかける児童館は京都でもピカ一の協力をしてくれる所なのですが、こればっかりはダメでした。

 そんな折、京都大和の家の西川満さんと出会い、10分話しただけでOKをもらいました。(最近、話がまとまる時はわずかな時間で決まることが多いです。)

 京都大和の家のピアノ発表会では、自分が弾きたい曲を演奏すること、その子が演奏できるレベルにアレンジしてあげることなど、私が自分が主宰する東京の音楽教室(深見友紀子ミュージック・ラボ)の原則が全部実現できていました。「ピアノ遊び」ではなく「ピアノレッスン」ができたことが何よりもうれしかった。ゼミ生3人、とてもよく頑張ったと思います。

 私はピアノ教師たちにこういった活動を求めてはいません。これは私のような定収入のある大学教員や、学ぶことが本業である学生の役割でいいと思います。ピアノ教師はもっと自分の専門性を伸ばし、しかるべき報酬をもらうべき。しかも、これまでの「お月謝」「御礼」といったものではなく、時間単価幾らといった他の専門職によくあるような基準報酬額を設定していくべきだと思います。
 あるピアノ教師が40人の生徒にピアノを教えているとして、1人30分レッスン、時給5000円としたら、週10万、月40万、ボーナスもないから年収500万に届かないのです。高い授業料を払って音楽大学を卒業したのに、レッスンの基本がマンツーマンであるゆえの不況、特に「資格」が要らないゆえの不況と諦めるしかないのでしょうか。一生懸命やれば、40人の生徒を管理するのは大変な仕事なのに・・。なんとか改善したいのですが、突破口がありません。意外と一緒に考えてくれる人がいないのです。
 その一方で、安いレッスン料でも習えない子どもたちが大勢いる。しかし、この子どもたちの「ピアノを弾きたい」という願いを叶えることは、ピアノ教師にタダ働き同様の労働を強いることになってしまうのです。

 複雑な気持ちを抱えつつ、京都大和の家の子どもたちへのピアノボランティアが実現しました。ゼミ生たちはピアノ指導経験がないことを不安に思っていたようですが、そうしたマイナス面を上回るぐらい、子どもたちそれぞれに寄り添う気持ちやレッスンを工夫したいという熱意があったと思います。
 演奏した後、パッヘルベルのカノンの連弾をBGMに子どもたち1人ずつを紹介しました。多くの観客が涙ぐんでいました。いい発表会でした。来年も続けていきたいです。


過労気味の1ヶ月

 11月21日
 気になっていましたが、1ヶ月以上も更新できませんでした。
 この1ヶ月、2つの学会発表と、リベンジをかけた科研の申請(今のところ、6戦4勝2敗)と、小学校教員養成用テキストの原稿書きと、学部の研究紀要と、京都やんちゃフェスタ2008と、こどもひろば2008で過労になり、ついにこどもひろば2008初日の11月1日の朝起きると、室内の景色が右から左に20秒ほど動き、慌てて救急病院に駆け込みました。
 しばらくの間、これからは2時までには就寝しようと決心したものの、これら一連の重圧が去ると眩暈もしなくなり、また夜更かしモードに。
 多くのビジネスパーソンが早寝早起きを推奨し、朝8時から会議をするらしいですが、一番の目的はニューヨークやロンドン市場の様子を見て誰よりも利益を得たいからじゃないでしょうか。大学教員の場合は原則として講義優先なので、会議のメンバーの1人でも講義が入っていると会議は開かず、会議の時間は早くて昼休み、多くが夕方以降です。私の場合、後期は水曜日以外午後出勤でいいので、ビジネスパーソンたちのように早起きしたら、疲れが早く出てしまう。夜のうちに伝達したいことやお願い事を全部やっておき、私がまだ寝ている間に、動いてもらったほうがずっと効率的なんです。

 さてさて、過労になった一番の原因は、科研電子申請のサーバダウンでした。今年からすべて種目を電子申請したからアクセスが集中したらしいのですが、「一時保存」のボタンを押しても全然反応しないので焦りまくりました。もっと申請書の中身にのみ神経を集中させてほしいです。


私のサイトの表紙をリニューアル

 8月24日
 私のサイトの表紙を新しくしました。
 まだ表紙だけですけど・・・・。

 http://www.ongakukyouiku.com/


募金の力はすごいです

 7月15日
 児童音楽Ⅰの授業を手伝ってもらっている声楽家、井尻有香先生が今年度(前期)で辞めることになりました。
「来週の授業が最後の授業になってしまうので、みんなで「ありがとうございました!」って挨拶してね」と2年生に伝えたところ、みんなが100円ずつカンパしてフラワーバスケットを買い、当日の私の授業で色紙をまわし100名以上の寄せ書きを作って井尻さんに渡しました。
 こうした団結力って関西独特というか、京都女子大学の児童学科独特のもの。他大学から来た先生や多くの大学で教えている先生は京女は授業がやりやすいと口々に言いますが、特に児童学科の暖かさとざっくばらんさ、真面目さのバランスは奇跡的です。

 一万円のフラワーバスケット、圧巻でした。

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 みんなで記念撮影 ▲クリックすると拡大します▼


声を守らなくては?

 6月12日
 珍しく早起きしたら風邪をひき、咽喉が痛いです。早起きは私にとって「三文の得」ではなく、「三文の損」で、健康に良くありません。咽喉が痛いというのに、きょうは90分の授業が4コマ連続+学生たちと歓談。
 マスクをして苦しそうに歩いていると、友人で声楽家のHさんが、ボイスリッチという薬がいいよ、と教えてくれました。
 効くのかな???


「忙しい」と感じるとき、まだ10倍程度の仕事はこなせる

5月25日
 最近、「仕組みづくり」に関する本が多く出ています。私のような大学教員&ピアノ教師は、いくら“最少の時間と労力で最大の成果を出そう”としても、「私の授業は内容が濃いので、45分に短縮します」とは言えないし(笑)、「濃密なレッスンをしますので10分短くします」とは言えないんですよね。仮に(あくまでも仮に、です)私が2倍濃厚な授業が出来るとしても、私の給料が倍になるわけではないし・・・。
 といった具合に、あまり関係がなかった「仕組みづくり」ですが、最近、私が監修する児童学科の音楽隊や、児童擁護施設でのピアノレッスンが本格的に始動し、「仕組み」について考えることが多くなりました。
 だって、すでに1つの児童擁護施設でゼミ生がピアノを教え始めた子どもたちのほうが、私が土曜日にミュージック・ラボで教えている子どもたちの数より多いのですよ。
 「仕組みを作らなければ!!」 これまで研究以外は個人プレーだった私にはとても大きな変化です。

 『「仕組み」仕事術』を書いた泉正人さんは、“人が「忙しい」と感じるとき、まだ10倍程度の仕事はこなせる”と言っています。以下、『「仕組み」仕事術』の中で気になった言葉の数々です。私は優秀ではないし、ビジネスの世界にいるわけではないですが、悠々自適なタイプでもないので、私なりの「仕組み」づくりをやってみるつもりです。

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 何かあったときに他の誰かが対応できる「仕組み」をつくる(P.25)
 個人の才能や努力だけでは乗り越えられない「壁」がある。「仕組み」とは「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」のこと(P.31)
 優秀な人にたくさんの仕事をさせてしまうと、その人が持つ最も大切な能力が発揮されなくなってしまう。その最も大切な能力とは、「新しいものを生み出す能力」である。優秀でない人は、暇になれば暇なだけで終わってしまうが、優秀な人というのは、暇な時間ができると、意識的に、あるいは無意識のうちに、それを「考える時間」にあて、そして実際、必ず何か新しいものを生み出す。優秀な人に「自由な時間」を与えるほど効率のいい戦略はない。だからこそ、ビジネスの世界において、さらに上を目指そうと考えている人は、単純作業やルーチンワークなど頭を使わないですむ仕事には「仕組み」を徹底してつくることで、効率化させたり、人にまかせたりする。(P.42)

 


『口コミ伝染病』のノウハウ、効果あり!

 5月13日
 少し古い本なのですが、『口コミ伝染病』という本を読みました。ビジネスマンでもないのになぜこういう本を読んだのかというと、早稲田の音楽教室「深見友紀子ミュージック・ラボ」を発展させたいと思っているからです。

 この本には口コミを伝染させるための具体例がたくさん書かれていました。

「綺麗な広告は自己満足に過ぎない。広告(チラシ)は汚い方が良い」
「供給は絞った方が良い」
「お客をヒーローにする」
「付き合いたいお客だけに絞る」・・・・

 我が家の玄関に貼っている手づくりのポスターとミュージック・ラボのページに、「土曜日のクラスは夕方1名分空きがあります。」と書いたところ、わずかの間にその1名分の時間に問い合わせが数回ありました。供給は絞ったほうがいいようですね。(結局、5歳のかわいい男の子が入ってくれそうです。)
 
 手書きのチラシの効果を実感できる出来事もありました。先週、私のゼミ生で、京都女子大学児童学科音楽隊の第2期生の一人、Hさんに第3期生募集のチラシを手書きで作ってもらい3年生に配布したところ、瞬く間に第3期生が結成されそうな気配なんです。授業の折に、私が説明してもあまり動きがなかったというのに・・すごい効果です!!

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▲クリックすると拡大します▼

 “一生懸命仕事をしていれば、評価されてお客さんの口コミが始まる”というのはウソで、絶え間ない努力と(Hさんのような)才能が必要です。
 ミュージック・ラボのチラシもHさんに作ってもらおうかしら。


「粘土上司」にご用心

 5月7日
 AERA 2008年5月5日号に「昭和上司 カイゼン計画」という記事がありました。

 現場の上司が時代遅れの「昭和的価値観」で部下を縛っている部署では、「ワークライフアンバランス」な状態が蔓延している。・・メールで報告して、チームで意識を共有しておけばすむような事業の場合でも、「メールなんか読み飛ばしたら終わりだ。口頭で報告しないと駄目だ」と部下を居直らせる。・・(原文ママ)

 このような上司を「粘土上司」(富士通総研主任研究員、渥美由喜さんの命名)というらしいです。

 働きやすい環境を整えなければいい人材は集まらないし、仕事を効率化して生産性を上げなければ激しい企業間競争に生き残れないのは、経営者の常識。しかし、現場の部課長レベルの粘土層が新しい価値観の浸透を妨げているのだという。・・粘土層にはエース上司も多く、成功体験があるだけに、自分のやり方が時代に合わないとはなかなか認められない。・・「形骸的な資料づくりや報告に必死だから、部下は仕事が増えるんです。」・・(原文ママ)

○会社生息上司・・会社に住んでいる?と疑いたくなるほど。部下にも「帰るなよプレッシャー」をかける ○エース上司・・会社に滅私奉公して成功を納めてきた。自分のやり方が1番と信じて疑わない ○飲み会強要上司・・職場の活力は「飲みニケシーョン」が心情。連日部下を連れ回し武勇伝を披露  ○卑屈上司・・出世競争からは脱落。部下管理だけが生きがいで、無駄な報告を求める ○お題目だけ上司・・育児休業などお題目は理解しても、直属の部下には許さない。総論賛成各論反対型

 大学教員の私には、事務仕事や雑用を手伝ってくれる若い職員さんは数名いますが、原則として上司も部下もいません。でも、上司のいないはずの私の生活のペースを狂わせるのが、突然要求され、提出を余儀なくさせられる資料や報告書です。この中には説明責任として必要なものもありますが、「こんなもの提出して、誰が満足するのだろう」とため息をつきたくなるものも多くあります。ルーチンワークの進行に支障をきたし、睡眠時間が不足し、誰のためでもない・・。
 何よりも必要なのは「脱・昭和」。何よりも気をつけなくてはならないのが、自分が学生に対してこうした「粘土上司」にはならないことですね。


見事なPrestoといらいらするLento

 3月26日
 一週間、有給休暇を取りました。
 のんびりしようと思っていたのに、大学の助成金が幾つか採択され、(最終版の)申請書を提出しなければならないため、のんびりできなくなってしまいました。ぐちっているのではありません。ありがたいことです。
 それぞれの物品に関して2通の見積り書、カタログが必要。
 そのうち、Dellのサーバは直販だけだと思っていたら、新潟在住の友人、Nさんが、大阪に通販より安く価格設定してくれるところがあると教えてくれました。
 昨日の昼頃、その会社に私が電話をし、NさんがメールでワークステーションPrecisionT7400の構成を伝えて、きょうの朝にはDellの直販よりも少し安い見積り書と、おまけにDellのサイトからの見積り書、カタログがPDFで送られてきました。私は東京から京都に移動して直接大学に行き、研究室でカラープリントして大学に提出。
 量販店では実質22時間でこんなサービスしてくれないですねぇ。
 見事なPrestoでした!
 幾つかの申請書を提出して、一週間ぶりで京都のマンションに戻ると、学科主任宛の速達が大学のある部署から届いていました。学科で検討しなければならない用件が書かれ、「返答は大至急」と目立つようにゴシックで添えられていました。
 そもそも多くのことが主任経由であることが必要以上に主任の雑用を増やし、仕事のテンポを遅くしているのは明らかなのですが、空家に速達が届いてはどうしようもありません。速達は郵便受けの中で眠っていました。
 メール添付か、ダウンロードできるようにしてくれるだけで、他の教員も共有できるのに。  
 いらいらするLento。
 昔、昔、男の大学教授の家には常に家にいる「家人」がいたかもしれませんが、今はみんな留守だし、私たちはパートナー同士でも相手に届いた郵便物を無断では開封しないです。取引銀行が全部同じなので、1年に何度か間違ってパートナーのSさんへの郵便を開封して、「預金、何者かに引き出されているぅぅぅぅ」と心臓が止まりそうになることはありますが!!


3月、区切りの季節

3月16日
 この一年間の音楽隊&手づくり楽器隊の活動をまとめました。

 ミュージック・ラボのページも少し更新しました。

 深見研究室のゼミ生も全員無事卒業し、ビデオクリップをプレゼントしてくれました。この4年間、長かったような短かったような・・。私の京都生活もいよいよ5年目に入ろうとしています。

http://jp.youtube.com/watch?v=WzYql6P_cHY


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