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 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

パラサイト・ミドルの再婚・恋愛

 「パラサイト・ミドルの衝撃 サラリーマン 45歳の憂鬱」(NTT出版 三神万里子)という本を読み、自分のことを振り返ってみた。
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 45歳以上が転職や起業の道を選び直したいと思っても、職場環境が感覚を鈍化させる。・・・職業人としての老化が始まる。・・・2000年に45歳だった(1955年生まれ)人々、つまり45歳時の賃金の上昇幅が頭打ちになった。・・・1955年生まれを境にプレ55とポスト55で世代が明確に分かれる。・・・プレ55はプリントメディアに依存し、本に書いていない知識は信じ難いと思っている。
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 最高裁・パートナー婚解消訴訟の裁判相手が、突然私に一通の手紙を渡し、16年のパートナー関係を解消すると言い出したのは、2001年5月、彼が46歳になったばかりの時だった。
 ちょうど1955年生まれの彼は、東京芸大大学院(油画)を出てサラリーマンになり、すでに20年が過ぎていた。美術関連の古書を収集しているぐらいだから、プリントメディアへの依存度は強く、パソコンも携帯電話も持っていなかったし、タイプすらできないので(現在は知らないが・・) 、古書のデータベースを作るといいよとアドバイスをしても聞く耳を持たなかった。
 一方、34歳で大学院を出た私は、女は40歳過ぎると仕事に就けないと言われているのに、39歳でやっと国立大学の助教授になり、2000年前後は不安のカケラもなく、IT絡みの音楽教育関連の仕事をしていた。
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以下がその突然の手紙
http://www.partner-marriage.info/c1.html

 ○○もクチていくばかりでナサけないと思っていただろうけど、まあ、出世はともかく、恋愛面での「生きる力」は残っていたのかと、喜んでもらえる事が、はたしてできるだろうか。
 たぶん深見は現象しか見ないから、○○も小者で俗物だったね、と思うだろうけど、それでもボクはしかたないよ。
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 関係を解消する前の数年、裁判相手は「美術がわかる人間ではなく、経済学部を出たような人間たちの企画が通る」とぼやき、「年300万円の生活費をくれれば、僕は早期退職をして子育てと文庫に専念したい」と私によく言っていた。(当時彼は自分で育てるという私への約束が果たせず、長女は祖母と暮らし、長男は施設にいた。)
 現在の私ならその話に乗るかもしれない。でも、互いに別居であるため、彼が専業主夫になっても私の生活は便利にならないし、当時まだ給料も少なかったので話に乗らなかった。
 もし生活費を裁判相手に渡していたのなら、「共同経済」が認められて、裁判で私が勝ったのかな。そのまま平穏な関係が続き、もちろん裁判にはならず、相手は再婚しなかったし、私はパートナーのSさんとも出会わなかったかもしれない。

 最高裁・パートナー婚解消訴訟は、内縁の成否についてしか論議を呼ばないが、本当は現代社会における諸問題に密接に結びついている。


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