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 このノートブックは、深見友紀子が原告となった裁判・最高裁パートナー婚解消訴訟の補足説明としてスタートしました。裁判の内容を知らないと理解しにくい文章があると思いますので、興味のある方は、下記サイトまでアクセスしてくださいますようお願いします。
http://www.partner-marriage.info/

香山リカVs塩野七生

 12月2日のノートブックで、香山リカさんが書いた『〈雅子さま〉はあなたと一緒に泣いている』(筑摩書房)と『結婚がこわい』(講談社)を紹介したが、斬新なタイトルがついている前者より後者のほうが中身はずっと濃い。

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 香山さんは、『結婚がこわい』のなかで女性の自立指数、非婚指数を以下の3つに分類して、今の若い女性たちは3つ目の状態に移行していると言う。
「生活レベルが下がったりやりがいを失ったりしないように、たとえ結婚はしなくても私は働く」~自立指数、非婚指数も一番高い状態
「親と同様に依存させてくれる人がいないなら、結婚しないで働く」~自立指数は低く、非婚指数は高い状態
「なんでもいいから依存をさせてくれる人と結婚するのがラク」~自立指数がさらに下がり、その結果として非婚指数だけがやや下降する状態

 香山さんは続ける。
 「社会に出るのはこわいから、たとえ生活水準が落ちてもいいから、誰かと結婚して食べさせてもらいたい」という若い女性が本当に増えているのだとしたら、それは「経済的レベルが下るぐらいなら結婚したくない」と女性が考えていた時代よりも、「不安」「恐怖」の程度がさらに増大した結果なのではないか。
 「ラクをするためなら、たとえ貧しくなっても結婚したい」という若者は、「結婚、出産は人間として自然、当然」と考える国と歩調が一致している。国としては、「ラクこそすべて」とかぎりなく依存的な若者が増加し、その結果、結婚や出産が一時的に増えることになったとしても、「非婚対策、少子化対策がうまく行った」と考えるのだろうか。結婚や出産に“逃げ込む”ラク志向の若者たちは、決して塩野七生氏が想定しているような“立派な人たち”ではないことは、リーダーたちも知っておいたほうがいいだろう。
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 塩野七生さんの提案(想定)は次のようなものである。 (2005年1月1日日経新聞少子化特集)
・子どもを持つ家庭に徹底的な経済支援をすべきだ。税金の控除のような中途半端なものでは駄目。
・キャリア面でも子持ちの人が得をする制度をつくる。
・子育てをできる女性は有能なので子どもがいる女性は企業で1階級昇進させる。
・子どもが2人以上いる社員は終身雇用を保証する。


 新聞や雑誌は、こうした状況を「女性の結婚願望が増大」[保守的な価値観の揺り戻し]「多様化する子育て支援」「女性の就労環境の改善」などと論評するだろうけど、事態はもっと複雑なはず。結婚や出産に“逃げ込む”ラク志向の若者たちに徹底的な経済支援をしたり、終身雇用を保証するなんて、あり得ます?そんな「死に銭」払う企業、どこにありますねん?


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