深見友紀子 最高裁・パートナー婚解消訴訟 オフィシャルサイト

コラム Part 1

No.3 女・大学教授(47)、男・会社員(49)では見えないこと

 断片的な新聞記事と最高裁の判決文を読んで、いろいろと自分の意見を述べている方々のほぼすべてが、フェミニズム女のイデオロギーの実践に、男が付き合わされたと思っているようです。

 この男は女のイデオロギー実践の実験台にされた、女の生き方に付き合わされた、女がパートナーシップのあり方を相手に刷り込んだ、男は16年も我慢した、女が相手を振り回した・・・などなど。

 女・会社員(47)、男・会社員(49)ならば、また違った印象を与えたことでしょう。

 こうした先入観を取り払ったところからこの事件の考察を始めなければならないと思います。

 相手の手紙の文章を引用します。


 ○○ : 相手の名前(自称している)

 ボクから見ても、昔に比べ、まあ世間というものがワカって来たのだから、今後についてはさほど心配していない。
 ボクは深見に対し、深見の求めに対し、よく通ったし、何よりも色々な面で今の位置まで何とか導いてきたと思う。

 →→これが私に振り回されてきた人の言葉でしょうか。あるいは脅迫されて関係をもたされてきた人の言葉でしょうか。

 深見はボクに対し、2人の子供と文庫を作る自由を与えてくれた。
 ボクはその他に何が必要だったと言うのだろうか。
 この事には大いに感謝している。
 だからこの2つはボクにとっての財産。大切にしたい。

 →→普通に法律婚をして同居し、同一の経済だったら、この文庫が実現しなかったと思いませんか。この文庫は、経費だけがかかり、いかなる利益も生み出してはいません。同一経済だから関係性が強く、別だから関係性がないなどと早計に決め付けてはならないと思います。
 →→子どもの養育を押し付けられた人が、なぜ感謝しているのでしょう。

 望むのなら、論文のテンサクはこれまでどうり行おうと思っている。ただしやりとりはFAXで。
 こちらが望むことはただひとつ。その都度の著作物、論文の、一点の献本をこれまでどおりお願いしたいが、ダメならばダメでそれもしかたない。

 →→この男性はなぜ私のこれから書くものを読んだり、集めたりしたいのでしょう。パートナーに望むものはさまざまであることが想像できませんか。

 出世はともかく、恋愛面での「生きる力」は残っていたのかと、喜んでもらえる事が、はたしてできるだろうか。
 たぶん深見は現象しか見ないから、○○も小者で俗物だったね、と思うだろうけど、それでもボクはしかたないよ。

 →→なぜ新しい女性と法的婚姻関係を結ぼうとする自分自身を、小者で俗物と呼ぶのでしょう。

 この通夜の話の件は新しいパートナーにも話はして、理解してもらおうと思うが、くれぐれも回りの人々に配慮をする事。

 →→私は古いパートナーなのでしょうか。


 私がどこの大学にいるかに関心がある方々も、相手の男性がどういう人であるのかについてはほとんど興味がない様子ですが、こうした関係のすべては「女のフェミニストが導くもの」と考えるのは時代遅れです。

 相手には、子どもの養育から私を開放することで得たかったものがあるのではないか、16年間相手が私に求めていたものは何だったのだろうか、パートナー婚をやめたのは単に新しい結婚相手ができたからだけだろうか、などと考えていくと、意外と容易にこのパートナー婚の実態や、現代の中年男性が置かれている状況などが読み解けると思います。

 断片的な新聞報道と最高裁の判決文を下敷きに、自身だけの経験や慣習、見聞を上乗せしてコメントしても、現実を推し量ることは不可能です。多様な関係がすでにそこ、ここにあることを実感していかなければならないと思います。

 私は女性学の研究者でも、フェミニズムの活動家でもありません。

 子どもは男側が育てているというのも誤報です。相手はこれまで長女と暮らしたことは一度もありませんし、長女は、相手が新しいパートナーと結婚しようと決めた直後に彼に反駁し、パスポート申請時、住居の契約時にしか、父である彼とは一切会っていません。また長女は、相手の新しいパートナーと一度も言葉を交わしたことはありません。

 私の役割は、トップページで書いたとおり、多様化する男女関係、結婚観、さらには少子化問題、女性の就労と出産・育児を研究テーマとする研究者、ジャーナリスト、ならびに社会問題としてこの事件に関心のある方々などに、私自身の言葉と正確な資料を提供することです。

 次回以降、子どもの養育のこと、出産費用のことなどに触れていく予定です。

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深見友紀子(ongakukyouiku.com)

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